イラスト作成用にパソコンを用意したい。自作も気になるけど、在庫切れが多くて困る・・・FRONTIERのBTOパソコンで良さそうなスペックのパソコンがあるから知りたい!
RyzenやGeForceの新世代が早いとは聴くものの、最近は半導体の在庫不足で在庫切れが多くてなかなか欲しいタイミングで手に入らないことが多いです。
manya@homeでもイラスト用のパソコン更新を考えていましたが、なかなか好みのスペックで自作することも難しく悩んでました。
そこでこの記事では、今回はお絵かき用にRyzen7 5800Xを使った 【FRONTIER】 のBTOパソコンを購入してみたのでレビューします。
この記事を読めば、「【FRONTIER】 のBTOパソコンがコスパ良さそうだけど実際のところがどうなの?」と悩んでいる人に良いところ、悪いところがすべて分かります。
FRONTIERのBTOパソコンって?
BTOパソコンとは受注生産パソコン【Build To Order】
パソコンって人によって欲しい機能が異なりますよね。とにかく安いパソコンが欲しい人、ゲームをやるから良いグラボを積んだパソコンが欲しい人、とにかくCPUスペック重視の人。
DELLやHP、マウスコンピュータなど、あまりパソコンに詳しくない方でも知っている大手メーカーもあれば、パソコンショップで独自に展開しているBTOも。
今回、その中でも【FRONTIER】 のBTOパソコンを紹介します。
フロンティア(FRONTIER)とは
【FRONTIER】はインバースネット(ヤマダ電機グループ)の取り扱うショップブランドパソコンです。もともと「株式会社神代(のちの株式会社KOUZIRO)」として古くからBTOパソコンを取り扱ってきており、歴史があるブランドですよ。
フロンティア(FRONTIER)のBTOの特徴は?
【FRONTIER】はコスパ良い構成が多い!
【FRONTIER】のパソコンはとにかくコスパに優れる構成が多いところが特徴。CPU、グラボの同構成で比較すると、他のBTOよりも数段安いことも。
コスト重視で買うなら最有力候補ですね。
反面、BTOの特徴であるカスタマイズの幅は狭いです。CPU、グラボ、電源などはカスタマイズできません。カスタマイズの自由度が少ない分、コストカット出来ているということでしょう。
【FRONTIER】はBTOはハマった構成があれば安い。セール情報を見て狙った構成が出てればチャンスですよ。
FRONTIERのBTOパソコンレビュー。AMD Ryzen 5 5800x&GeForce RTX 3060構成【イラスト向け】
お絵描き用にBTOパソコン買うぞ~!
お絵描き用のパソコン買い換えを検討していましたが、この度、【FRONTIER】のBTOパソコン購入しました!購入した構成はこれ。
FRGAB550/WS11/NTK を選んだ理由
CPU重視&一括償却資産で!
お絵描き(クリスタ、フォトショップ)がメインなので、CPUスペックを重視、GPUは可能な範囲で高め。本当はメモリも32GB以上にしておきたいところですが、足りなくなったら追加する方針。
予算は送料込・20万円以下。一括償却資産で処理できると確定申告が悩まずに済むので!ここは外せません。この構成にピッタリハマった構成がFRGAB550/WS11/NTKになります。
FRGAB550/WS11/NTK 構成一覧
モデル | FRGAB550/WS11/NTK |
ブランド | 【FRONTIER】 |
価格 (税込・送料込) |
179,800円(基本構成・税込) |
CPU | AMD Ryzen™ 5 5800X |
CPUクーラー |
空冷CPUクーラー |
CPUグリス |
標準CPUグリス |
GPU | msi GeForce RTX™ 3060 VENTUS 2X 12G OC |
マザーボード | ASRock B550 Phantom Gaming4 |
メインメモリ | 8GB×2 DDR4-3200 SDRAM |
ストレージ | Intel SSD 660P 1TB M.2 NVMe SSD |
電源 | Enhance ATX-3660GA 600W ATX電源 80PLUS BRONZE |
ケースファン | inwin 前面ファン 120mm×1、背面ファン 120mm×1 |
寸法 | 約485mm x 200mm x 423mm |
OS | Windows 10 Home |
※manya@home購入品の構成です。赤字はフロンティアのサイトではメーカー、型番未記載のため別構成になる可能性もあります。
※青アンダーラインはmanya@home購入品でカスタマイズした構成です。
各パーツ詳細
AMD Ryzen™ 5 5800X
出典:Amazon
今回の構成の肝。CPUスペックは出来る限り良いものにしたかったので、Ryzen5000シリーズで5800X
ゲーム用途なら5600Xに抑えてグラボを1ランクアップの方がバランスが取れたマシンになると思いますが、お絵描き用なのでCPUを可能な限り盛っておきたかったです。
SilverStone SST-AR12
出典:Amazon
※【FRONTIER】のSST-AR12は光らないモデルです
5800XはAMDも水冷を推奨しているくらいの熱量のあるCPUなため、性能をしっかり出し切るにはCPUクーラーの交換をしておくことがオススメ。
とはいえ、【FRONTIER】のCPUクーラーカスタマイズは空冷4種類+水冷1種類からの選択。
メーカーも推奨してるくらいだし水冷にしたら?
【FRONTIER】で選べる水冷は「ELC-LMT120-HF」。ラジエーターサイズ120mmなので、5800Xには役者不足と思います。
このため、選べる空冷の中で冷えそうなSST-AR12を選択。120mmファン搭載のサイドフローモデルです。これでだめならnoctura載せ替えですね。
msi GeForce RTX™ 3060 VENTUS 2X 12G OC
どうせならRTX!
グラボは重視せず。20万円縛りで行くと5600X&3070か5800X&3060が妥当なところです。
使っているモニタの種類(4kやゲーミングモニタ)によっては5600X&3070の構成の方が良さそうですが、manya@homeではCPU重視のためRTX 3060に落ち着きました。
それにしても単品で買おうとすると在庫は無いし、売ってても高いですね・・・5800X&3060を20万円以下で組めるんはBTOならでは!ですね。
ASRock B550 Phantom Gaming4
出典:Amazon
【FRONTIER】のBTOを選ぶかどうかを決める上で、重要な要素がマザーボードです。【FRONTIER】のBTOではマザーやケースは変更できないため、気に入らないなら別のショップにする必要があります。
ASRockの B550 Phantom Gaming4はゲーミングとあるものの、スペックはエントリーグレードで機能も至って普通。有線 LAN は1GBまで(2.5GB非対応)、無線LANも非搭載。USBは3.2 Gen1まででタイプCポートもありませんが、こういった機能が必須でなければ、十分使えるマザーボードですよ。
Intel SSD 660P 1TB
出典:Amazon
PCIe3.0x4の3D QLC NANDの NVMe SSD。リードライト最大1800MB/sとそこそこ早く、3D QLCで書き込み耐性200TBWと短めな寿命がネック。
エントリーモデルとはいえ、IntelのSSDなので安心感はありますね。とはいえ、個人で660Pを選ぶかと言われると、選ばないと思いますが。
OSディスクにするには十分な性能ですので、データディスクを別途用意すると安心できますよ。
FRGAB550/WS11/NTK 各部写真レビュー
梱包状態
BTOなのでケースの箱で送られてくるのかな、と思っていらたしっかりFRONTIERの箱でした。中身はあっさり、パソコン本体にペーパー類、電源ケーブルのみ。
グリスはカスタマイズした「AINEX GS-08 Thermal Grizzly Kryonaut」。今回の構成で唯一カスタマイズしたところは冷却性能UPでCPUクーラー&グリス。余ったグリスを付けてくれるので、しっかり変更してくれているという安心感がありますね。
ケーブル類は電源ケーブルのみの最小構成なため、後からSSD、HDD増設などを考えている方は別途SATAケーブルを購入する必要があります。ここはちょっと残念なポイント。
外観・ケース
FRGAB550/WS11/NTKのケースは【FRONTIER】GA SERIESのケースになります。ライティング無しの昔ながらのPCケースといった外観。前面パネル下部、サイドパネルCPU直上には大型のエアインテークがあり、冷却性能が高そうなケースです。
フロント上部にはスイッチ、全面IOが集中しています。USB2.0、3.0各2の計4つあり、十分なUSBポート数。USB-Cがあれば尚良かったんですが、ここは値段とのトレードオフでしょうね。
背面には注意書きが貼ってあり、ディスプレイケーブルを刺す場所の注意書きがあります。マザーボードのIOパネルにも赤い注意シールが貼られており、初心者もしっかりケアされているところが好印象です。
外観・内部
サイドパネルを外したところ。見かけは古き良きパソコンケースですね。ドライブベイが黄色のプッシュピン止めになっているところがちょっと新しめ。
フロントパネルも外してみました。5インチ、3.5インチどちらもふさがっており、ねじり取るタイプのスチールカバーになっています。フロントパネル内側はパンチングメッシュ貼りになっており、ホコリ対策になっています。外して清掃できないところは残念。
3.5インチベイはサイドのビス止めを外すと取り外しが可能。3.5インチベイ下部には2.5インチ用のビス穴を開いていますよ。
ケースファンは120mmが前面、背面に各1基。エアフローはしっかり確保されています。とはいえ、昔ながらのケースなので240mm、360mmの水冷ラジエータは搭載できません。冷却性能が不足するようならハイエンド空冷への載せ替えしかないですね。
各パーツ
カスタマイズしたCPUクーラーはSilverStone SST-AR12。ライティング機能無しのモデルです。120mmファンで放熱フィンの面積は広めにとれるところが良いですね。
電源はEnhance ATX-3660GA 600W ATX電源 80PLUS BRONZE。PC用電源のOEM元として実績のある会社で、信頼がおけます。
グラボはmsiのGeForce 3060。DP×3、HDMI2.1×1の4ポート構成。デュアルファンで思った以上に静かでした。
FRGAB550/WS11/NTK 感想
FRONTIERのBTOはシンプルイズベスト!
これだけ安いんだから、見えないところはきっと安くてイマイチなパーツばかりなんでしょ?と思いきや結構しっかりした構成でした。
ブランド名が掛かれていないSSDや電源などはそれこそ聞いたこともないようなメーカーかと思ってましたが、どちらもしっかりしたブランドです。
ディスプレイポートの目隠しなど、初心者が失敗しやすいポイントもしっかりフォローされています。
ケーブル処理もしっかりされており、内側もスッキリ。自作をする場合のパーツ価格を考えると非常にリーズナブルに感じます。
反面、拡張性には乏しいところがデメリットと言えるでしょう。ケースは今時に多い240mm以上の簡易水冷大型ラジエーターには対応せず、自作なら当然付いてくるSATAケーブルなどもありません。あれこれカスタマイズを考えている場合には制約があるため注意が必要です。
とはいえ、BTOで出来る範囲のカスタマイズで十分な方であれば、ベストな選択肢と言っても良いのではないでしょうか。
FRONTIERのCPUクーラーカスタム『SilverStone SST-AR12』でRyzen5800Xは冷やせるの?
結論は、十分とは言えないものの、一般用途なら使えそう、です。
Ryzen5000シリーズは温度90℃で制限が掛かり、クロック周波数を落として温度を下げます(サーマルスロットリング)。このサーマルスロットリングがどんな時に起こるかを調べてみました。
FF15ベンチマーク 温度、周波数推移
FF15ベンチでは温度は85.75℃までで温度上限には到達しません。
温度、周波数の推移データからもサーマルスロットリングが発生していないことが分かります。
スコアは『8902』の快適でした。
CPU:Ryzen5800X
CPUクーラー:SilverStone SST-AR12
FF15ベンチ品質:高品質
FF15ベンチ解像度:1980×1080
FF15ベンチスクリーン:フルスクリーン
CINEBENCH R23ベンチマーク温度、周波数推移
CINEBANCH R23では残念ながら温度90℃まで到達しています。
温度、周波数の推移データからサーマルスロットリングが複数回発生していることが分かります。
スコアは、Multi Core『15381』、Single Core『1606』でした。
CPU:Ryzen5800X
CPUクーラー:SilverStone SST-AR12
CINEBANCH R23:Multi Core
CPU 常時100%はキツイ。ゲームを含む一般用途なら使い切れそう。
グラボもGeForce 3060であり、4kゲーミングには力不足のFRGAB550/WS11/NTK。フルHD、WQHDのゲーム向けで使う限りは、Ryzen5800Xの性能をフルに生かせそうですね。
CPUをフルロードし続けるような動画エンコード等を多用する方だとCPU性能は全力まで使いきれないかもしれません。
とはいえ、一般用途で全コアフルロードを続けることはあまりないので、実用上は問題無さそうです。
FRONTIERのBTOパソコンはこんな人にオススメ
【FRONTIER】のBTOパソコンは、コスパに優れる構成のラインナップで、今回購入してみると安いからと言ってもしっかりしたパーツを組み合わせて作られていることが分かりました。その経験からオススメする人はこんな人。
FRONTIERのBTOパソコンはこんな人にオススメ
- とにかくコスパが良いパソコンが欲しい人
- カスタマイズはあまり考えていない人
- ケースやマザーボードにあまりこだわらない人
もともとコスパが良いショップブランドでしたが、半導体の高騰、在庫不足の中だとコスパの良さが際立ちますね。
カスタマイズ性は低めですが、その分ラインナップが最初から多く設定されています。好みの組み合わせがあれば、セール期間に購入するのが狙い目ですよ。
FRONTIERのBTOパソコンはセール期間に購入しよう!
『【FRONTIER】』は頻繁に台数制限セールを行っています。このセールで欲しい構成がラインナップされていないか、チェックしておきましょう。
最新GPUも格安構成も自由に選べる!パソコン買うならBTOの【FRONTIER】
まとめ
コスパに優れた【FRONTIER】は買ってみて満足いく内容でした。不満点もカスタマイズ性の低さくらいで、致命的なものはありませんでした。
自作で5600Xのパソコンを作成しましたが、コスパで行けばFRONTIERのBTOに軍配が上がりますよ。
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欲しい構成が見つかればセールで狙っていきましょう!