憧れの液タブをゲットして約1年使ったレビューです
液タブが欲しいけど、安定のWacomにするか、中華タブは安くて結構種類もあるけどどうなの?、iPadも良いよね。お絵描き環境を作るために悩む方も多いです。
manya嫁はそれまでWacomの板タブを使っていましたが、一念発起して液タブ「Wacom Cintiq 22 FHD」を購入しました。
各種ある液タブからなんでWacom Cintiq 22 FHDにしたの?実際に使ってみてどうなの?という点についてまとめてみました。
Wacom Cintiq 22 FHDを決めた理由
manya嫁が数ある液タブの中から『Wacom Cintiq 22 FHD』を選んだのは次の二点が主な理由です。
- 値段が10万円以下であること
- サイズが大きいこと
理由①値段が10万円以下であること
消耗品費で経費処理可能な10万円以下が最大のポイント!
お絵描きや副業をやっていると確定申告が面倒なんですよね…できる限り簡単にしたい!
そうなると、10万円という金額が大きな壁。パソコン周辺機器の扱いで消耗品費処理ができる金額って大きいです。減価償却はメンドイ…
【事例で解説】パソコンの勘定科目とは?ケース別に購入時の仕訳例まとめ | クラウド会計ソフト マネーフォワードIT関連の企業をはじめとして、事務処理などのためにパソコンやマウスを購入する会社や個人事業主は多いでしょう。パソコンの購入は金額によって勘定科目が異なり、その後の会計処理も変わってきますので、しっかりポイントを押さえておきたいところです。今...参考サイト:MoneyForwordクラウド会計 「パソコン購入時の勘定科目と仕訳例まとめ
」パソコン周辺機器の勘定科目
また、お絵描き一本でやっている方ならともかく、趣味や副業(本業を超えない範囲)で描いている方の場合、10万円を超える金額を投下するのは少し躊躇するというのがあります。
Wacom Cintiq 22 FHDは、通常価格で約10万円、Amazonセール時には10万円を切ることが多く、タイミング次第で消耗品費で経費処理可能なことが購入の最大のポイントでした。
理由②サイズが大きいこと
やっぱりサイズ(読み取り可能範囲)大きい方が描きやすい。
発売も2019年7月とちょっと古めであり、機能面はおとなしい『Wacom Cintiq 22 FHD』。
解像度はフルHD(1920 x 1080)、sRGB カバー率(CIE 1931) 96%(標準値)、HDMI+USB-A接続と今なら中華タブ含めてもっと良いスペックのタブレットあるんじゃないの?というスペックですね。
ただ、筆圧機能は8192レベルとWacom Cintiq Proと同じなんですよね。
manya嫁の場合、カラーよりもモノクロ2階調で漫画原稿を制作することが多いので、モノクロ原稿用と割り切ってしまえば、CLIP STUDIOのUIを目一杯広げて作業できるサイズであることがとても重要でした。
解像度よりも、単純にサイズ(読み取り可能範囲)が広い方が使いやすいと思いWacom Cintiq 22にしました。
液タブを選ぶのに悩んだこと
最終的にWacom Cintiq 22 FHDにしましたが、結論にたどり着くまで悩んだ点はこちら。
何故、Wacom Cintiq Proではないのか?
Wacom Cintiq Proの一番安いモデルであるWacom Cintiq Pro 16の場合、最大表示解像度3840 x 2160 ドットですが、表示サイズが15.6型(外形寸法410 x 266 x 22 mm)になります。
18万もかけて15.6型の液晶タブレットを購入するならば、12.9インチのiPad Proを購入した方が良いかな?というのが率直な感想です。
また、値段も普段から17万くらい、セールでも10万切ることはそうそうないので、気にはなるけど早々に選択肢から外れました。
何故、XP‐PENではないのか?
価格、サイズで考えるとArtist 22セカンド(manya嫁購入時はセカンドではありませんでしたが)や、Artist24 Proが候補でした。
どちらも値段、サイズ感共に魅力的でしたが、ここは長年Wacomの板タブを使っていたという過去の実績でWacomを選択した、という単純な理由です。
知り合いの絵描き仲間も使っているとしたらiPadかWacomタブばかりで情報が少なかったんですよね…
最近はXP‐PENを使われている方も増えており、Youtubeなどにも情報が増えてきているので選びやすくなってきたように思います。
エントリーグレードのArtist 12セカンドなんて液タブなのに約3万円ですよ!?Wacom One 13も値段は頑張っていますが、使用者が増えて洗練されてくるとXP‐PENも十分選択肢になると思います。
何故、iPad Pro、iPad Airではないのか?
お絵描き以外の副業もあり、パソコンの方が効率が良かったです。
iPadもスペックは上がってきておりパソコン並み(内容によっては以上?)の作業ができるようになっています。とはいえ、コーディングや表計算処理など、パソコンの方が圧倒的に効率が良い作業があることもまた事実。
そもそもパソコンを持っていない、お絵描きしかしない、というなら12.9インチiPad Pro でも良かったかもしれません。
パソコンと液タブを買うよりも12.9インチiPad Proの方がトータルでは安くなりますからね。
manya嫁はラフや下描きはiPad miniを使っています。お絵描きとiPadの相性の良さも体感しているのでどちらを選ぶかはお絵描き以外の作業の使用頻度による、と思います。
Wacom Cintiq 22 FHDを使っている感想
Wacom Cintiq 22 FHDを1年間使ってきた中での感想です。
大きい画面は使いやすい
大きい画面は控えめに言って最高!
読み取り可能範囲476mm×268mmと、大きい画面がやっぱり素晴らしい!サイズ感はA3紙サイズといったイメージ。
ザクザクペン入れできる、長い線をゆったりのびのびと引けるのがとても心地いいです。
ペン入れ時は、CLIP STUDIOの全てのパレットを隠して使います。
コマンドバーに必要なツール(ペン入れ用のペン数種・色(黒・白・透明色)・ベクター消しゴム)を登録、ペンサイズ、キャンパスの回転などは左手デバイスを使って作業しています。
地味に左手デバイスを選び放題な点もパソコンのメリットですね。
使いやすい角度調整スタンド
Cintiq 22 FHDは付属外付けスタンドは可動範囲が16~82度と広く、クリエイターに合わせて絵を描きやすい角度に固定することが出来ます。
角度調整なんて一度決めてしまえば使わないでしょ?という点は確かにそうなんですが、その一度でしっくりくる角度に調整できるかが肝心です。
その点、Cintiq 22 FHDのスタンドは狙った位置で角度調整ができて、21.5型の画面を大きな足で安定設置できるので申し分なし!
筆のタッチ、筆圧感知が優秀
筆圧感知も8192レベルある『Wacom Pro Pen 2』に対応しており、筆圧追従性も申し分なし。
大きいサイズのエアブラシなどでふんわり描画する時の遅延なども一切なく、快適に使用しています。モノクロ原稿のペン入れの速度は板タブ時に比べて格段にアップしました。
色域のカバー率が気になる?
Cintiq 22 FHDはsRGB カバー率(CIE 1931) 96%(標準値)です。安価な中華板タブでもAdobe RGB≧90%とうたっているのに低すぎない?っていう気持ちは分かります。
ですが、そこまで色にこだわるならモニターのキャリブレーションが必要ですし、部屋の照明も影響するので高演色蛍光灯等の照明器具を使う必要があります。
そのうえ印刷物を作る場合だと使用する印刷会社のプロファイルに合わせてカラーマネジメントする必要があるわけで……。
印刷はせずに、Web上に作品を展示するならば閲覧者のディスプレイの多くはsRGBの色空間です。そこまで気にする必要あるのかな?というところですね。自分で描いててAdobe RGB対応の方が再現できる色は多いので描いてて気持ちいいでしょうけども。
プロとしてAdobe RGB対応の高品質プリンターで作品を出力するのならばAdobe RGBのカバー率が高い液タブを利用した方がいいと思いますけどね。
解像度フルHDは気になる?
気にしようと思えば気になる。でも実用上は問題無し。
スマホの解像度もどんどん上がっている中で21.5型でフルHDは解像度が低すぎて気になるんじゃ?
Cintiq 22 FHDに限らず値段抑えめのフルHDの液タブユーザーが気にする点としたらこの点では無いでしょうか。
ですが、実際に1年使ってみた中では、そこまで気になりませんでした。もちろん、意識するとドットっぽく見えるものの、キャンパスに絵を描いている時は気になるほどじゃないです。
また、フルHDだからこそ、パソコンの要求スペックが相対的に低く済む恩恵もあるのです。今年のPC更新前は5年前のノートパソコンを使っていましたが、十分使えていました。
ここは思ったよりデメリットではなかったですね。
TwitterやPixivなどにウェブ上で絵をアップする場合、そんなに高解像度の絵をアップしません(横幅800px、解像度72dpiとかにリサイズして載せる)。4Kで見せることもないので、そこまでいらないのではないか?と思ったりもしています。
とはいえ、一度4K液タブなんて使ってしまうと戻ってこれなくなる予感もあるんですけどね。
ケーブル接続が使いにくい
接続端子はやはりWacom Cintiq 22 FHDの残念ポイント。映像がHDMI端子であり、操作用のUSB端子と電源ケーブルの合計3本のケーブルが生えているのは見た目にもイマイチ。
HDMIは最近のノートパソコンの場合、省かれていることも多くノートパソコン派はパソコンを選ぶ際に気をつける必要があります。
ケーブルは左上から生えてる形なので完全に隠すことも難しく、束ねるとケーブル自体も硬くて取り回しもよくないです。
複数画面も便利
これはパソコンならではのメリットですね。
現在は24インチのメインモニターとWacom cintiq 22 fhdのダブルモニターで作業をしています。
資料を普通のモニターに映して確認しながら作画をしたり、Twitterやモクリの画面を確認しながら絵を描けるのが便利です。
まとめ
安定のWacom、液タブで10万切り(※セール時)、できるだけ大きい画面。これらの要素を満たすWacom Cintiq 22 FHDは趣味や副業等でお絵描きする人にオススメの液タブです。
manya嫁が液タブに求めるものが揃っているWacom Cintiq 22 FHDは一年使ってきても大きな不満もなく、動作も安定していてストレスフリーなお絵描き環境になりました。
値段とサイズで選ぶなら、Wacom Cintiq 22 FHDは不満が無い性能ですよ。購入を検討されている方はセール時期は見逃さないようにしてくださいね。